『桜の園』東京公演
撮影:青木司 『桜の園』東京公演

桜の園
原作:アントン・チェーホフ
翻訳:神西清

チェーホフの遺作となった作品を〈静〉と〈動〉の鮮やかな対比のなかに描くシリーズの真骨頂ともいえる作品。平成19年度文化庁芸術祭新人賞受賞作。

上演履歴

2007.11 アトリエ劇研(京都)
2008.10 吉祥寺シアター(東京)

私の場合、演劇をやっていると未来や希望のことを忘れがちになります。それは演劇をつくることが、「いま、ここで」できることから出発し、過去の歴史へ向かって歩いてゆく作業だからです。チェーホフ本人が遺作と自覚した『桜の園』は、軽さに満ち、粋なまでにテクニックを駆使し、集大成にふさわしい完成度があります。そして、めずらしく未来について大変な希望を謳っているのですが、そこだけはどうもモタクサイ。だからこそ、いつもと違って、未来を、希望を演劇にしてみようと思います。もちろんそれは「見せかけ」であるが、しかし「優れた見せかけ」ならば意味があると考えているのです。
三浦基 *チラシより再掲

ものがたり

「桜の園」と称えられる美しい庭を持つ屋敷。贅沢と浪費の末に借金の抵当に入った屋敷を取り戻そうともがく女主人ラネーフスカヤは、しかし、商人ロパーヒンの別荘建築案に賛成できない。人々の想いが交錯する中、屋敷は最終的に、ロパーヒンの手に落ちることになる。古い価値観に縛られ、置き去りにされる人間と、新しい制度の中でも決して充足感を得ることのできない不安な存在としての人間を描ききった名作。

解説

タイトルのすぐ後に続けて「喜劇 四幕」と題されたこの作品は、1903年に執筆され、翌年スタニスラフスキー率いるモスクワ芸術座によって上演された。1860年の農奴解放から80年代の反動の時期を経て、ロシアの歴史が大きく変わろうとしている時期に書かれた作品で、執筆の14年後、1917年には社会主義革命が起こっている。時代を予見し、旧世界と新世界の狭間に生きる人間を描いたチェーホフの遺作である。

データ

上演時間: 80分
ツアー人数: 俳優6名 スタッフ9名 計15名
仕込要日数: 2日 (劇場入りした日の翌々日の昼公演が可能)
適した劇場仕様: 間口7,200mm×奥行5,400mm以上、間口10,800mm×奥行7,200mm以下なら即対応可。
予算: ご相談ください